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口頭指導について

119番を受信する和歌山広域消防指令センターの職員は、通報者に対して応急手当を的確に指導できるよう訓練されています。
 特に、呼吸停止など、直ちに死に至ると通報内容から判断できる時には、応急手当をお願いすることがあります。
 強制ではありませんが、あなたの大切な人の命を守るためにご協力お願いします。
※口頭指導中は、救急車はすでに要請された場所に向かって出動していますので、ご安心ください。



口頭指導の経過について


 平成14年10月16日に、ガイドライン2000に基づく、救急要請受信時の口頭指導要領が制定され、平成14年11月1日から新心肺蘇生法口頭指導実施マニュアルを基礎に口頭指導を開始してから7ヶ月が過ぎようとしています。(口頭指導とは、救急受信時に通報者や付近住民等に救急車が現場到着するまでに応急手当をして頂くよう、こちらから処置内容を指示すること。)
上半期(平成15年1月から6月)の救急件数は1837件あり、口頭指導経過に記録されている件数は61件(全体の約3%)でしたので、これらの内訳を円グラフにまとめてみました。


口頭指導する前に精神的不安定状態からか「私には出来ない」と言われ、説得していると、救急隊が現場到着してしまった例や心肺蘇生法を最後まで指導出来なかった例、全身に硬直がみられる例、頼まれ通報で通報者が現場付近にいないなどがあり、指令課でも苦慮しているところであります。
データ上でも緊急度・重傷度が高い傷病者に対して55%口頭指導しておりますが、43%はできておりません。(別添グラフ2参照)


これらの事故種別では圧倒的に急病人が多い、(別添グラフ3参照)


傷病者の男女別では男性が、(別添グラフ4参照)


高齢化社会に伴い65歳以上の傷病者も多くなっています。(別添グラフ5参照)


 救急隊が出動してから現場に到着するまでの時間は全国平均で6分と言われていますが
当消防本部では6分以上かかっている事案が62%ありました。(別添グラフ7参照)


 救急隊は覚知から1分以内に出動しており、これには地域差の問題があるためですが、救急隊の現場到着時間が長いければ長いほど、バイスタンダー(傷病者の近くに居あわせた人。)や現在指令課で行っている口頭指導の重要性が高くなってきます。
 初期(通報時)の傷病者の状態では、大半がCPA(心肺停止状態)90%で、その他、気道閉塞3%、意識消失のみ3%、意識レベルの高度低下および除脈2%、アプガースコア7点2%がある。(アプガースコアーとは、出産直後の出生児に対する容体を点数で表したもので、0点から3点が重傷仮死・4点から7点が軽度から中等度仮死・8点以上が正常とされています。)(別添グラフ8参照)


 このような状態の傷病者にバイスタンダーが行った応急手当の状況は約半数が処置無し(47%)でした。
 2%が調査中なので、バイスタンダーが実施した応急手当は51%となり、これが、救急普及啓発活動や救急要請受信時の口頭指導の成果になります。
(別添グラフ9参照)


 バイスタンダーの応急手当を増やすことが、救命率を上げることになりますので、今後口頭指導を実施するに際しては、「意欲を持たせる」「分かりやすい説明」「素早く実施させる」といった点に磨きをかけていきたいと思います。
 傷病者の経過ですが、完全社会復帰が2%、救急隊が現場到着する前に回復したものが3%、病院到着前に回復したものが(アプガースコアー9点)2%、心拍のみ再開しその後死亡が5%、後遺症(左半身麻痺)をのこしたものが2%、残念ながら死亡が86%で、完全社会復帰したものは、救命の連鎖がスムーズに繋がった結果でありました。
 (別添グラフ10参照)


 救命率の向上に大切なのは、救命の連鎖で、「迅速な通報」(バイスタンダー)「迅速な心肺蘇生法」(バイスタンダー)「迅速な一次救命処置」(救急隊・医師)「迅速な2次救命処置」(救急隊・医師)となっており、これらが迅速かつ適切に繋がった時、初めて救命率が向上します。
 救急要請受信時の口頭指導や指示収容病院の確保等、指令課の知識・技術・話術の熟練や救急隊の知識・技術の向上、医師の受け入れ態勢やその後の処置の充実などを強化するのも必要不可欠ですが、スタートである、「迅速な通報」「迅速な心肺蘇生法」が出来ていないと社会復帰はほぼ考えられなくなります。
 指令課では、通報時に「救命講習を受けたことがありますか?」とバイスタンダーに聞きますが、ほとんどが無いと答えられ、口頭指導しながら応急処置をしてもらうといった状況です。これでは、応急処置をしてもらったとしても、迅速さに欠けます。
 今回のデータの中でも、救命講習を受講したことが無い方は81%、有る方は8%しかなく、この数字を上げることが救命率を向上させる上で重要となってくる。
 まず、一般住民、消防本部、救急隊、医療機関が「救命しよう」という意識をもち、バイスタンダーの救急講習受講、救急要請受信時の口頭指導や指示収容病院の確保等、指令課の知識・技術・話術の熟練や救急隊の知識・技術の向上、医師の受け入れ態勢やその後の処置の充実、これらが救命率を向上させるということを再認識しました。